人工関節手術をすすめられる患者様には変形性関節症、関節リウマチによる関節破壊などさまざまな疾患の人がいますが人工関節の手術は“痛み”をとることが一番の目的です。レントゲンでひどい関節の変形があっても、“痛み”があまりなく日常生活に支障がなければ手術は必要ありません。しかし、内服薬や注射の治療を行っても“痛み”がつらい場合は手術治療を行います。手術の最大の目的は、“痛み”なく歩けるようにすることです。“痛み”がなくなれば家に閉じこもりがちだった人も友人を訪ねたり買い物や旅行に出かけることができるようになり健康で快適な生活が取り戻せます。
当院ではできるだけ小さい切開で、さらに組織障害が少ないよう心がけて手術を行っています。小さい切開で手術を行うと関節や筋肉に対する侵襲が小さくなるので術後の回復が早く、リハビリテーションが速やかにすすみます。
傷ついた股関節の損傷面を取り除いて、人工の部品(インプラント)に置き換える手術です。大腿骨側には金属製のステムとボール、骨盤側にはカップとその内側にはめ込む超高分子ポリエチレン製のライナーでできています。このライナーは、軟骨の役目を果たしているので、ボールをライナーに組み込むことにより、スムーズな関節の動きが得られます。
変形性膝関節症や関節リウマチによって変形したひざ関節の表面を取り除いて、人工の部品(インプラント)に置き換える手術です。インプラントは、関節の滑らかな動きを再現できるように、3つの部分からできています。本体は金属製ですが、金属の間と膝蓋骨の表面は耐久性の優れた硬いプラスチックでできており、これが軟骨の代わりになります。O脚や可動域制限も、手術の際に矯正することができます。
変形が軽度の内側変形性膝関節症に対しては 片側置換術があります。片側置換術は皮切は6〜7cmと小さく、輸血の準備もいらないほど出血も少なくすみます。
手術侵襲が少ないので、痛みも全置換術と比べると格段に少なく術後2日目には歩行可能となります。